あらたな灯火

高波が押し寄せて
村を照らす
ともし火がこわれた

立ち向かえ村の人
全員で力を合わせ
苦難を乗り越えていけよ

暗やみは
寒く惨めで
苦しい世界だけども

村人は
あー、力がある
あー、頭もとてもいからね

再びつくれる
あらたなともし火



縁のめばえ

金がないやつぁ、馬鹿にされる
金がないやつぁ、隅を歩く
金がないから、水を飲んで
栄養ないから、骨よわい

金があるやつぁ、羽振りきかす
金があるから、威張り散らす
金があるやつぁ、女たちにも持てまくる

たまの休みは南千住
笑いころげる土手かぼちゃ
君の彼女はどこの生まれなの?

今日も今日とて南浦和
腐乱したよな艶姿
君の彼女はなんの仕事なの?

俺は生まれて四十二年
ただの一度も嘘つかぬ
それが嘘だと世間はいうが
ホントなんだよ、東京、サイパン、米子

流れ流れてやってきた
ここは地の果てアルジェリア
みやこ官女なれの果て
惚れたはれたの明け暮れに
社長大尽相手せぬ
好きなお方とどこまでも
君は馬鹿だよ 
君は馬鹿だよ
君は馬鹿だよ
俺も馬鹿者だよ

金がないから人生終わる
頭抱えたパンクマン
金はないけど楽しくいこう
ガンジャくわえたラスタマン
金があってもいつかは死ぬる
暑さ寒さも彼岸まで
金は此の世の果報のしるし
夜ごと日ごとの賑わい、縁のめばえ



旅日記

家を捨てて国を捨てて
神を捨てて
山を越え旅をする

道を行けば喉が渇く
川のほとり
座り込み思い出す

昔の友のこと
話をした。あの学舎で
「君はなにになるんだ?」
話をしたな。話をしたな

宿に着けば金を渡し
つぼみの花
抱き寄せて酒を飲む

花の色はすぐに変わる
笑い顔が
悲しくて切なくて

あの日の君の顔
はにかんでた。あの川べりで
「見てよ、空の色!」
君は走っていったよね
神を飾る野の花
ふたりで摘んで、ふたりで挿して
川は今日も流れて
どこまで行くの? どこまで来たの?
わたしはいま。
わたしはいま。



夢のなかへ

あの人のしあわせをいまも祈ってる
満たされた花の日々、揺れる黒髪
熱い瞬間を鳥が連れてくる

とめどないよろこびがいまも続いてる
蜜の味、花のつゆ、濡れるまなざし
雨の降る夜は影を抱きしめて
うその数を指折りかぞえ
わたしはまた夢のなかへ

流れた時を指折りかぞえ
わたしはいま
夢のなかで生きているの
いつも夢のなかへ
今日も消えていくの



どくろが丘

丘の下、草原、朝日をあびて
露に濡れ、揺れ、煌めいている
サンダル履き、ぼくらの足は、濡れて

汚れてる、それでも、ぼくらは行こう
こころ決め、あの頂上めざし
風に乗り、散らばる種は
鮮やかな、夢を見て、恋をして、謀られ、捨てられる

うらぎりの歌、金の飾り、罪の味、甘い暮らし
死んだ水、肩の重荷、滲む汗、怯む心、丘の上、君の光

めざしていくんだ
のぼっていくんだ
ときどきくじけてのぼっていくんだ

空の色、今日もまだ、明日もまだ、あざやかで、せつなくて、いとしくて、もういやだ
言葉が舞い踊る、罪が積もる
赤い雲、沈む夕陽、いつわりの、神の形
枯れた水、軋むからだ、丘の上、君の許し

たよっていくんだ
めざしていくんだ
ときどきやすんでのぼっていくんだ



牛飼童

夜、町に出てみたら
君と牛が立っていた

君、誰を待ってるの
赤いシャツが素敵だね

しぶいね。しぶいよ。

うわ、それはよしてくれ
そんなことはやめてくれ
うわ、うわわ、暴れてる
うわ、ここでエサやるの

すごいね。すごいよ。
こわいね。こわいよ。

やばいね。やばいよ。
死ぬかな。死ぬでしょ。



許しと繰り返し

街角に雨ふってた
花売りが傘さしてた
恋人が抱き合ってた
まなざしが重なっていた
ゆっくりと消えた

見世物がはじまってた
呼び声がとどろいてた
手をつなぎ漂ってた
手を放し許された
罪人のしるし

にせものが輝いてた
はなやいで称えあってた
ゆっくりと消えた
罪人のしるし

サヨナラ伝えて気が振れて
生きてる理由を解き放つ
なくした昨日を繰り返し
最後のしるしが許される日

時計を見上げて歩き出す
愛しい思いが駆けめぐる
忘れた言葉を繰り返し
最後のしるしが渡される日

とぎれず流れる水のなか
昨日の魚が泳ぎ出す
あなたはあなたを繰り返し
最後のしるしが許される日

いつでも此の世は雨だから
流した涙に流される
会わずに別れて歩き出し
昨日のしるしが許される日



パッション

水なしに飲みこんで最後まで痺れていたんだ
苦い味、舌の上、いつまでも漂い続けて
窓の外、パレードが雨に濡れ通り過ぎていく
髪みだれ張りついて吐く息も濡れてるみたいだ
薄い唇をまたふるわせパッション

階段を昇りつめ、その先の扉を開けたら
なにもない屋上に草が生えガラスが散らばる
はみでてる、あふれてる、くさってる、くずれ流れてる
靄の中、白い顔、浮かんでる、目を閉じてしまえ
雨にまた濡れた服脱ぎ捨てパッション

パレードは終わらない、信号が何度も変わった
へし折れた水道管、いつまでも溢れてやまない
皿のうえ、果物が、ぐしゃぐしゃに頽れて溶けてる
かおかたち、髪のいろ、いまはもう忘れてしまった
細い道のりをまた辿ってフィクション

今度こそさようなら、もう二度と生きては会わない
ひざまづき、抱きしめる、白い花、何度も捧げて
とおとさを感じてる、せつなさのきわみで待ってる
とまらない水の音、窓硝子、吐息にくもって
かたい封印をまた剥ぎとりパッション

さらばいま、この肉を果てしない日の果てに解き放て
もう二度と生きながら会わないと泣きながら跪き
抱きしめて、白い花、とめどないないこの水を
とまらないこの声を何度でも奉る
せつなさと吐く息のきわまった日の果てに
日の果てに、はなして、はなして、はなして、はなして



さびしい日がまた暮れる

さびしい日がまた暮れる
町のあかりともる
重いからだ引きずり
家路をたどって

やっと帰る暗い部屋
右手で灯をともす
いつもと同じ見慣れた景色が
ふわりと浮かんで
今日が終わる

正直に生きてればいまにも必ず
さびしさは夢になる
ならない日は
空を眺めてる
星が消えてくまで

重い鞄ぶら提げて
長い橋を渡る
出せない手紙したため
せつない思いを抱きしめ
なにも言わず

まっすぐに生きてればいまにも
苦しみは報われる
あの日の辛さも悲しみも愛になる
ならないなら
星を眺めよう
夢が消えてくまで



首飾りをはずしたら

もう笑わなくてもいいからね
こぼれた水を飲んで
もう苦しくはない、今日からは
なにもないところで安らいでいて

もう歌わなくてもいいからね
しおれた花を抱いて
もう悲しくはない、今日からは
心配をしないでいいんだ

きみは、もう、なにもかも赦された
きみは、もう、なにもないとこでまどろんでいてね

もう思わなくてもいいからね
最後のページ閉じて
もう言葉からも解き放たれ
意味のない世界で満ち足りて

話さなくていい、明日も
黙っていればいいよ
あの高い山、夏の日も雲も
空もないところでひとりで

きみは、もう、誰からも見えないよ
きみは、もう、果てしないところで静けさになった

いまが溶けてく

きみは、もう、完全に満たされた
きみは、もう、戻れないところに行き着いて
きみは、もう、永遠を許された
きみは、もう、終わらない初めに近づいた

首飾りをかけて、首飾りをかけて、首飾りをはずしたら



神様が掘った穴

「階段から転げ落ちても正しいことやるんだ」
得意顔で語ったそいつ、レザーまとった、ははは、パンクロッカー

天井には朱きいろ出で
戸の隙より洩れいる
光のなか浮かんだ、それは
例のひとつのメルヘン

今日も若者はいまこの世を楽しんでる
孤独に向き合って女の子が歌う

大事にしろ、君の優しさ
死ぬまでそれなくすな
自己犠牲を払って、だけど
どんな花にも税がかかる

三千円渡して奴に
くわえさせて目を閉じ
瞼の裏浮かんだ、それは
例のばかげたメルヘン

夢をより分けて男の子がまどろんでる
右手で撥ねのけて女の子が叫ぶ
「撮らないで」

眺めの悪い部屋、まだ電波が飛び交ってる
地獄を生き延びて海辺に出て踊る
「やめないで。夜をとめないで」

情熱から生まれる正しさから逃れて
正しさから生まれた愛しさから逃れてきて
完全ではないけど自分をいまのりこえ
完璧ではないけどいま神様が掘っちゃてた穴



そのいまの花

天照らす高照らす日御子の弥高き高千穂の高き峰
その峰をみてその高きを嘆く

流れ星嘆き星七つ星憚って旅立った乙女子のその胸の内
その胸の谷間の悲しい湖の水の辺に額ついて敷妙の衣手の濡れそぼる命の
その終わり頃
その終わり頃
終わる頃
また峰をみる
いまはそのいまの花をみる



ひとひらの花弁。朧に舞ひにけり

話を聞かせて
とおい昔のあの日の思い出
信じるよろこびを

かなしみはきれいにしてね
いとしさで

風のなかをいつも漂っている一片の花びら

いき方、教えて
知らない道、どこまで行くの?
叫んだ町角へ

だんだん消えてくから正面から来ないで
頼んだ人の中に花びら
ぐるぐる回る
仄かに浮かぶ

闇の中をいつも漂っている
色鮮やかな
一片の
花びら



土の記

風が吹けば木々ざわめき、空に音響いて
音が音にまた響いて、ほら歌になってく

歌は風にすぐ運ばれ、村にいま届いて
村の人は顔光らせ、みな踊りはじめる

娘たちは髪かざって、腰を振り踊って
息子たちは仮面かむり、酒飲んで暴れた

月の光、村の家と人を青く染めて
死人たちは墓抜けだし、犬、闇に吠えてた、

風と歌がひとつになり、水と土が、ひとつになる
嘘と愛がひとつになり、どこまでも流れて

君は夢とひとつになり、いまと過去がひとつになる
行く当てはないしいらない、歌だけが響いて

わだだっ、わだだっ、わだ、わだわだわだだっ、わだだっ、わだ、わだわだ
わだだっ、わだだっ、わだ、わだわだ、わだ、わーだだ、わだわだ
わだだっ、わだだっ、わだ、わだわだ、わだだっ、わだだっ、わだ、わだわだ
わだだっ、わだだっ、わだ、わだわだ、わだ、わーだだ、わだわだ

また、風が吹いてる



もどり道

殺してと言い泣きながら
縋りついてた君の
指先を這い回る虫

雪が舞い散る真っ白な
夜を見ていた君の
さびしげで
うつろな瞳
今日はなにを映すの?
悲しみならうそ

救われたくて目の前の
輝く闇にダイブして
思いも
いまはもう
消えて

いまは世界は明るくて
幸せすぎる今日だけが続く
届かないけど呼んでみようか
きっと
聞こえないけど呼んでみようかな
そっと
あの人の名を呼んでみようかな



踊り狂う君ダウン花を抱いて儲けなしでターン

ワンダンならさがしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならさがしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならわたしたってワンダンならタカラモノ
ワンダンならわたしたってワンダンならタカラモノ

正しい聲が国に響いて誰にも会えなくて
弁天だけが今日の生き甲斐、パイプに詰めてみる
冷たい沼に溺れ沈んでこの世が溶けていく
夢の通い路、あと少しで繋がりそうだ。って

君、懲りずに走って
君、懲りずに踊って
君、懲りずに狂って
君、懲りずにくるよね

物語なら十日あまりで容易に創り出す
木偶人形に言葉与えて輪にして踊らせる
萎れた花を拾い集めて心を飾りつけ
乱れた髪で顔隠して無価値な真実を

君、懲りずに握って
君、懲りずにしゃぶって
君、懲りずに動いて
君、懲りずにいくよね

A「近くで見たら不細工だったね」
B「いまさら気づいたの?」

貰った命、叩き返して、十字架用意する
逆縁ながら油注いで、蹴飛ばし指を詰め
千年間の人の恨みを二秒でチャラにして
いのちと意地と清いこころと最後の真実を

君、またもや探して
君、またもや剥がして
君、またもや渡して
君、またもやくるよね
君、懲りずに踊って
君、懲りずに狂って
君、懲りずに

踊り狂う君ダウン、花を抱いて、儲けなしで、ターン



夏服の女

花は滅んでやばいくらい空が青い
眼裏に天子踊って流れていく銀の粒

破れ傘を噫さしてる夏服の女
いまはもう十二月
凍え震えてる

星に祈りを捧げ、夏服の女
人の道にひざまづき
土に汚れてた

正義盲しいて虚しいくらい空が青い
眼裏に天子踊って風を孕む絹の襯衣

暗い夢を追い続ける夏服の女
愛おしさに気がちがい
子供捨ててきた

智慧は眠って恐ろしいほど空が青い
眼裏に天子踊って濡れて光る愛の意味問われて
たどり着いた空の果てでいまは静かに
いまはおやすみ



あの日の豚にチャーハンやれよ

サルビア闇に咲いたらそれが合図だ
別れ告げるつらいお知らせだった
四人の村人たちが水を飲んでる
水のなかにすごいヒントがあるよ

商売繁盛笹持てこい
走るあの寒い夜

花びら風に散ったらそれが合図だ
こころ濡らすひどい村雨降って
孤独なセレブ女がメシを食ってる
メシなかにすごい宇宙があるよー

死にたくなけりゃカネ持てこい
走るあの暗い道

怠けたツケがどんどんくる
怠けたツケがどんどん
怠けたツケがどーんとくるね

羽が伸びていく羽が伸びて
高い大空を飛んで
君がやってくる優しい君が
すっと寄り添ってくれて
そっと口づけて肩を抱いて
こころ慰めてくれて
ふたり手をつなぎ空を飛んで
狂い舞い踊り永遠に最高

ふざけたツケがどんどんくる
ふざけたツケがどんどん
ふざけたツケがどーんとくるね
あの日のツケがどんどんくる
あの日のツケがどんどん
あの日のツケがどーんとくるね
あの日の豚にチャーハンやれ
あの日の豚にチャーハン
あの日の豚にチャーハンやれよ

ばかだった。ばかだったっけ?
ばかだった。ばかだったっけ?
メシ食った。メシ食ったっけ?
好きだった。好きだったっけ?



許された朝

悲しい言葉が通り過ぎていく
あなたが現れる
夢のなか夢を見る新しい人
やめないで、祈ってて、このまま

眩しい光が通り過ぎていく
あなたが充ちてくる
影を慕い嘘をついて
跪き、許されてる朝



恋人はクズ野郎

見立ては君はヒューマンらしいね両手をつかって
フカヒレ入りのバーガー食べてる。海老名の塵
これから先も楽しく生きてよ唯一の花なら
生まれたままがサイコーすごいのよ、お土産さー

旅行に行ったら絶対やりたい、アイドルみたいに
断崖絶壁、ふたりで手を取りジャンプをして
これから先も裁きを受けてく貴い命さ
記念の写真、サイコに沁みるのよ、思い出さー

人間的に生きてる奴らのぶつかり稽古さ
この世の夢をあの世で見ている地面の虹
輝いた後、やっぱり気になる記念の写真を
も一度みたらメンタル土砂崩れ。恋人はクズ野郎
恋人はクズ野郎



スピンク

なんにも望まずにあなたは旅に出た

斜めに傾いている椅子の下で両手を伸ばし、あなたは
「一緒にいるだけ、それでいいんだ。楽しいんだよ」
と、笑っていた

なんにも語らずにあなたは旅に出た

最後のあの朝だって、いつも通りにあなたは言葉少な
「調子はどうだい、今日も元気か?」
それだけを言って、横になった

四角い箱船があなたを運んでく
あなたのほほえみが遠くへ消えていく
あなたはここを出てひとりで旅に出た

帰ってきてくれよ
帰ってきてくれよ
帰ってきてくれよ
戻ってきてくれよ
走ってきてくれよ
あのときみたいによ
頼む
頼む



あの日の六時に

あの日の六時に君と別れてなんにも変わらずに
パッシュワー、パッパシュワー
起きて働きカネを稼いでる
ジムにもときどき通う

頭のなかには君の思い出ぎっしりつまってる
パッシュワー、パッパシュワー
宝石みたい大事なことばかり
だけども忘れてしまう

明日の空が晴れてたらまともになれるかな
腰を揉み両手を広げて
バンザイと叫んで怒られた
「会議中、なに考えてる?」
追い出され、気持ちの行き場がどこにもない
穏やかに生きている

今日の空は晴れていて、普通になる日がやっときたよ
正しさを夕陽が染めたら
怖れずに、気持ちを隠さずに
君に会い、抱きしめて言おう
君のこと、とってもとっても愛してたんだよ、あのとき



愛染てろる

ぱっと倒れたら、ぜんぶ嘘みたい
手を折り曲げて爪の先まで
赤い色が馴染んだら歌をうたい始めよう
死んだ言葉を並べて、

ひざまづいたら、ずっと午後みたい
テーマ砕け散り、リズム乱れて
ひかり急に途絶えても君の歌はとまらない
甘く、かすれた歌声

声に崩れ落ちて
闇に沈む
どこまでも

夢の底に届いたら、僕も歌い始めよう
鐘が響いてやまない
いま

人が倒れて、正義、崩れ、砕けていく
血潮、流れて、愛が空に充ちあふれている



つらい思いを抱きしめて

会えない日は会えないけど、でもそれでも会いたい
会えるならとリュックサック背負って嘘を言って、やばいカネを集めて
追い詰まって遠い空を眺めてたんだよね
ボウフラ売りに身落とす若旦那
時の彼方を見つめて生きてた
悲しい思いは、いますぐ忘れてしまおう
甘い記憶に酔い痴れて夢を見ながら漂っていく

会えないなら会えないよと最初から言ってよね
会えるかもと、お化粧して出掛けて
大事なもの、嫌だった、だけども
あなたのため、ゲス野郎に渡してたんだよね
ウクレレ、片手に歌った女の子
星の彼方を見つめて泣いたよ
悲しい思いが、いまでもビートを刻む
時の流れに流されて、夢のかけらが漂っている

順番、ゆずって笑った幼い子
君の両手に抱かれて死んだね
あの子の祈りがいまでもこの世を揺らす
つらい思いを抱きしめて、時の流れに逆らって
会いたい、ああ、会いたい、ああ、いま勇気を出して
重い扉をこじあけて光のなかへ飛び込んでいく



私小説

わたしは今日、上着を脱いで捨て
あなたの思い出、探していた
滲んだ、あの日の約束
あなたの言葉が心に響いて動けない
痺れている、いまも

わたしは今日、辞典をとって出し、広げて
あなたの口癖、探してみた
零れる、あの日の手触り
言葉は溢れているけど、
わたしはいつまでも探している、いまも

愛よりおカネだよと
つぶやいてレンタカー
乗り込んで去ってく
真っ青な横顔みてた

涙が流れている、だけど
心は動けずに痺れている、いまも
言葉が溢れている、だけど
わたしはいつまでも探している、いまも
今日もまだ探している、明日を



生きる意味

神様がそこにいるのなら訊きたいことあるよ
なぜ波は今日も寄せて返すの?
神様がそこにいるのなら聞かせてほしい、ひとつだけ
見上げてみた、空の、
なぜ星はいつもいつもあんなに私から
遠い遙かな彼方に瞬くの?
神様がここにいるのなら訊きたいことあるよ、
なぜ花はすぐに枯れるの?
神様がここにいるのなら
聞かせてほしい、ひとつだけ
楽しい毎日が、
なぜいつの間にか色もあせて最後きえるの?
遠い遙かな彼方へ、いつかは
遠い遙かな彼方へ、消えてく
いま岩陰に光が幽かに動いた
いま岩陰に光が幽かに動いた
涙が流れて心が砕けた



私たちの岬

「興味あれば、そうね。不幸になれるかもね」

簡単すぎる、暗号うった

「ずっと気にしていたよ。ずっと見つめてたよ」

テキトーすぎる、あなたの答え

ふたりは普段着に着替え
お互いの場所へと急いで
確かな孤独を抱きしめ
わたしたちはもう不幸じゃないわ

あなたは狭い部屋を出て
夢のような愛しさもとめて
岬をどこまでも走り
なにもかもをもう覚えてないわ

わたしは暗い部屋を出て
夢のあとを追いかけ続けて
岬をいつまでも走り
あなたからはもう便りもないわ



風のなかで君は

風のなかに君は立っている
強い風のなかに
砂混じりの風が君を打つ
君はひとりきりで立ってる

悲しみは真っ直ぐな証拠と君は言ってた
苦しみさえも素晴らしい経験になるんだよ

心から愛した人たちも君の前から立ち去って行く
あの人さえ遠くへ走って行った

霧が深く深く立ちこめて
なにもみえない
君はひとりきりで待っている
人の言葉を超えて届く声を待っている
君はひとりきりで待ってる



ひがくれ哀話

今日は悲しみの日
悲しいことする日
子供たちの目を潰し正しいに供える日
後ろ影に夕日がさして

今日は苦しみの日
苦しいことする日
女たちを飾り立て偉大な人に捧げる日
うしろかげに夕日がさして

背中越しに日が落ちていく。

半殺しの豚がドンゴロスのなかで
ヒッピキピキ啼いて
また日が暮れる

半乾きの髪が吹き通しの風に
さんばらばら揺れる
また日が暮れる

半分だけ開いた磨りガラスの光
うすぼんやり見えて
また日が暮れる

反抗などするな。反逆などするな
チョッチョコチョコ急げ
また日が暮れる

まっ白けの旗が真っ赤っかに染まる
チョッチョコチョコ急げ
また日が暮れる

好きだった人は泥沼に沈み
ドンドコドコ稼ぐ
また日が暮れる

三人目の人が三階から落ちた
シャッシャカシャカ走れ
また日が暮れる

なんにも見るな、なんにも聞くな
チョッチョコチョコ急げ
もう日が暮れた



だから君は今日も神を見る

カネがなけりゃ君の明日はない
生きていてもなんの意味もない
寒い日には花に穢れてる
花のなかでひとり痺れふるえて

狭い場所に潜り込んでいく
水が溢れたぎりほとばしる
早い安いやつをぶちこんで
インスタントすぐに神をみる
ありがたいよ春の夜の夢
点と線をMENにぶちまける
価値がなけりゃどれも全部クズ
老いて朽ちてすぐに消えていくのさ

君は笑ってあどけない顔で大好きだって誰にでも言うよ

勝ちも負けもいまはついにない
だれもかれも悪い汗をかく
たきぎ背負うくらい道のロバ
パンも葱も恋も愛もない
なにもかもが夜のクズになる
夜のクズが意味と嘘になる
意味と嘘がメシの種になる
メシの種が白い花を咲かせて

金持ちたちはなにげない顔で愛してるって誰にでも言うよ

君の顔はいまは豚の顔
君の脚はついに豚の脚
君の息はもはや臭すぎる
だけど君は今日も出掛けてく
だれも彼も君が大好きだ
君は今日も白い服を着て
笑顔うかべゴミと媚を売る
速い深い君の愛の渦
君はいつもそうだ裏切りと
禿とバカとデブを抱きしめて
狭い道にやつら誘い込み
意味と罪の犬を撃ち殺す
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見る
だから君は今日も神を見るんだ



君が好きだった歌

なにもない今日の空に
また映っているんだよ
いつか二人でみたボロボロの映画

さびし過ぎる画面にはホコリだけがうつうってる
ぼくら手をつないでそのなかを歩く

なつかしい声、思い出が
君の仕草と色と風がよみがえるよ

南側の硝子窓、あの花がまた咲いてる
いつも二人、行った店はもう、ないのに

真っ白い悲しみは時間にまみれてあれから、ただうつむいて爪先見つめ言えなかったこと言うよ。
「サヨナラ」

青すぎる今日の空にまた響いてくるんだよ
いつもふたりで聴いた、君が好だった歌

なつかしい声、思い出が
君の仕草と音と匂い
わすれられない時がよみがえるよ
なつかしい声、思い出す
君と語った夢と希望
素晴らしかった時がよみがえるよ
なにもないぼくらの
なにもない空に



リターン

夜になれば、とびら開く
美しい人間の方法がわかる
鳥を逃がし、鳥を試す
突然目の前に現れる本当の愛

雨が降れば、扉が開く
ただしい旅人、外套を脱いで
今日を許し、明日を許される
いつまで濡れそぼり乾かない右側の肩
君の愛にリターン、苦しい旅路のその果てに
君の愛をリターン、惨めな未来を携えて再臨

風が吹けば扉を閉ざす
みにくい少年の表面を飾る
髪を乱し、ことば整える
滅亡を恐れずに飛び込んだ恍惚の海
君のなかにリターン、砕けた剣を振りかざし
君のなかにリターン、曇った鏡に照らされて再臨

樽を叩け、ダーガリンダーガリンダ
樽を叩け、ダーガリンダーガリンダ
樽を叩け、ダーガリンダーガリンダ
樽を叩け、ダーガリンダーガリンダ
「なかに誰が居るんだ?」
「それを、俺に聞くのか」
「あっ、逃げたぞ。戻ってこい」
「戻ってくるな。絶対に戻ってくるな」

夜になれば、とびら開く
美しい人間の方法がわかる
鳥を逃がし、鶏を煮込む
突然目の前に現れる本当の愛

雨が降れば、扉が開く
ただしい旅人、外套を脱いで
今日を許し、明日を許される
いつまでも濡れそぼり乾かない右側の空
君の愛にリターン、苦しい旅路のその果てに
君の愛をリターン、惨めな未来を書き換えて再臨



急に雨が降ってくる

急に雨が降ってくる
こんな安い普段着なら
濡れたってかまわない
そう思い、歩いてる
雨はいつかやむだろうし
あのときも
道路沿いの街路樹に水のしずく光っていた
子供たちのはしゃぐ声、公園に響いてた
あの歌がとても好き、この歌はすごく嫌い
そんなことを話していた
いまここに君がいたらもう二度と離さない
いまここに君がいたらもう二度と離さない
いまここに君がいたらもう二度と離さない
降りやまぬ雨のなか白い鳥が飛んでった
今日もまた雨が降る



いろちがい

アールグレイなんて孤独の同胞
涙の訳を知ってるって言うの? 君は

優しくすれば女が惚れる
地金を出したら女は逃げる
女が逃げて心がくらい
君、上野でひとりで自分を殺す

今日のプレイなんて地獄の金型
本当のことを知ってるって言うの? 君は

魅力を出せば男が惚れる
素顔を見せたら男はもえる
男がもえて心はつらい
君、世田谷あたりで自分をあげる

いろちがい、いろちがいだよ。いろちがい

子供の頃は、舞台の袖で
握りを盗んで、心がおどる
大人になれば、舞台の上で
フレンチとか食べても心はくらい
相手を探し、自分を探す
見つけた瞬間、すべてが消える
涙でできた、社会の掟
君、スタバで、ひとりで、巻き鮨食べる



夏の午後

星を射るのは誰なのかしら
あたら狩人みたいに
私の人生なんて
二流映画のできそこないよ
なのに言葉が響いて
嘘がよみがえる
誰にもいえない
孤独な夢、抱きしめて
私の闇が滲んだ
今日の午後
水を撒くのは誰なのかしら
馬鹿な心がずぶ濡れて
恋がよみがえる
誰にもみえない
あなたの嘘抱きしめて
私の夏が終わった
今日の午後



かくして私の国家は滅んだ

古びた祠を私は出た
はるかな野原に青く稲穂が靡いて光っていた
幽かな炎が……
野原に向かって私は言った
育てよ、充ちろよ、生きろよ。
色のない女たちがよろこびをふり注ぎ
かなしみをこねまわして
いつくしみ、花を供え
素晴らしい瞬間を
果てしない永遠の水に流し
洗い、祓い、清め
かくして私の未来はほろんだ



白線の内側に下がってお祈りください

今夜だけならなんでも
やっていいって優しく言われて
僕らメチャクチャ踊って狂った
民主主義ってなんだよ
君に囁き興奮してたら
バカがいっぱい出てきて困った
シナガワ
一時間だけどれでも
全部値段は同じと言われて
頭狂ってデンデケデケデケ
お客様って誰だよ
喚き散らして発狂してたら
将棋倒しで全員死んだよ
さがって。さがって、後ろへ
さがって。さがって、この白線から
さがって。さがって、世界の平和のために
喉が痛けりゃのど飴
鬱になったらアゲモノ食ってろ
疲れてきたらシャブシャブパーティー
いまや宴会たけなわ
素敵な肉を味わっていたら
泣きの涙の手紙が届いた
祈って。祈って、まっすぐに
祈って。祈って、僕らのために
祈って。祈って、僕らの自由のために
考えてみたんだけどやっぱり立ち止まってるの違うと思うんだよね
考えてみたんだけどやっぱり先に進まないとなんにも始まらないんだよ
だけど、今日は、いまは

さがって。さがって、後ろへ
さがって。さがって、この白線から
さがって。さがって、後ろへ
さがって。さがって、僕らの自由のために
この線から前には出るな
この線から前には出るな
前には出るな
前には出るな



試される愛

今日、三度ほど君のことを思い出した
もう君のことはいまはぜんぜん好きじゃないと
心が言ってた

今日、君とあの日行った店でお茶を飲んだ
もう君のことは今日はぜんぜん忘れていた
あの日のつらさも

あなたから
わたされた
たいせつな
うそ
ためされる
あい



顔の忘却

汚れた髪を砂に埋めて、死ーね、馬鹿、と言って
小舟に乗って君は夜の川くだっていく
でも僕はまだ君のこととてもとても好きだよ
舟は揺れて君を闇の果て運んでいく

水の音が時の崖に響いて
輝く闇、君が滲んで

でも声はまだ覚えてる、思い出すよ、あの日を
写真屋さん生きていたらいまいくつだろう
きっととうに死んだはずだ、もう歳だもの

いま思い出を破り捨て空に昇りつめるよ
風が吹いて灯り消えて、舟、朽ち果てる

水の音が時の崖に響いて
闇の果てに君のおもかげ
おもかげ
消えていくよ



貧民小唄

鳩尾に重いパンチ、その場に蹲る
一言も声を出せず涙を流した
小作人。弱い立場。言葉も奪われ
父親は鑿で咽を突き刺し血を吐き
病院で断られて死んで
女郎花、風に揺れ、声もない
人並みに帯を締めて縞の着物着て
人として歩きたい。普通の顔して
裏の庭では鳥が啼いてた
表通りに花が咲いてる
裏の庭には風が吹いてた



花の飛び

あの日々がいまも輝く
あの日々を目を閉じ
あの日々を思い出してる
あの日々の君を

あの日まで光を浴びて
あの日までぼくらは
あの日まで輝いていた
あの日まで君を
愛してた、どうしようもなく
抱きしめた、風が吹いてた
あの日々をいまも生きたい
あの日々の君と

仮に僕が黒い旗を掲げ靴を脱いで君の国に行けば
君はそこでどんな顔をするの君はそこで誰の振りをするの
君はそこで誰の歌を聴くの君はそこでどんな本を読むの
君はそこでどんな空を見るの君はそこで
君はそこで誰のために祈るの

仮に僕が黒い旗を掲げ靴を脱いで君の国に行けば
君はそこで誰の振りをするの君はそこで誰の歌を聴くの
君はそこで誰のために

風が吹きすさぶ暗い荒野、花が咲く
花はちぎれて飛んで、遠い夜へ、消えいく



手紙節

私はあなたが大好きだ
私はあなたが好きなんだ
私はあなたが大好きだ
メチャクチャ好きなんだ
勇気を出して手紙を書こう
夜を待たずにいまあなたに手紙を書こう
心にあふれるこの思い
わたしはすべてをさらけ出す
そのため揃えたそのモノは
インクと紙と勇気
言葉の海へ舟をこぎ出せ
心の波こえて、あなたにたどり着くんだ

こんにちは。いままでのことは全部、嘘です。なにもない。
こんばんは。これまでのことは全部マボロシ。なにもない、空。

言葉がひとつも出てこない
マヌケな言葉が先走る
本当のことだけを言おう
あなたが大好きだって
言葉の海へ舟をこぎ出せ
波を越えていけば、見えるよ、港の光
命のかぎり力をこめて
波を越えていけば、見えるよ、あなたの光



狂的な愛

貧しい悲しいぼくらのポエム。言葉が走り出す
山越え谷越え憎しみ超えてあなたにいたる距離
なんのために走ってるの? ぼくらいまは
二十四時間、殴られて、笑われて崩れた
耳に徴をつけられて理論無用でやられまくまくり
犬は犬舎に繋がれてカリプソも歌った
人は牢を抜け出して西の方へ走り出て呼ばう

眩しい苦しいぼくらのリズム。わずかに走ってる
どこに向けて走ってるの? ぼくら、いまは
もえる心がせつなくて泥沼にはまって
真澄の空は朗らかに晴れてるって言われていても
泥濘はもう果てしなくて歌声も途絶えて
萎れた花を抱きしめて掠れ声でその名前呼ばう
風が吹いて花が揺れて闇の果てであなた光ってた

ただの愛は愛でないと知ったいまは、
道のりはもう果てしなくてただもうそうひろごり
見えない両目見開いて自分自身を捧げものして
きたない両手差し出して精一杯に伸ばして
むごい現し身抜け出してあなたまで二センチで届く
あなたまで二センチで届く



日射病

誰もいない部屋に日が射す。白い布が風に揺れてる
君のなかで鳥が囀る。今朝の朝のラジオのように
ただ、喋って、ただ、祈って
ただ、生きているよ
今日を

川のなかに花を投げ込む。音と色が泥にまみれる
髪を乱し君はよろこぶ。嘘と嘘がからみあってる
ただ、歌って、ただ、踊って
ただ、生きているよ
今日を
完全な魂の完全な死
完全な世界に言葉だけが流れて

誰もいない部屋に日が射す。黒い靴が影に隠れる
声をあげて君が崩れる。水と水がもつれあってる
ただ、動いて、ただ、感じて
ただ、生きているよ
今日も
靴を履いて君は出掛ける

誰もいない部屋に日が射す



人間のささげもの

なんにもない日は当然ここじゃない場所旅する
夜、まぶたのうら通る、あの子、今日こそ抱きしめ
喉を撫でで可愛いがろう
沼沢地帯を抜けて冬の暑さを感じて
きっと、パン屋の前を通る、あの子、今日こそつかまえ
甘い夢を見せてあげようよ

真っ赤なルビーのついたださい首輪が嫌だと
あの、荒野の方へ行った、あの子、今日こそみつけて
僕のすべて捧げ奉る、奉る、奉る。ルルルルル



RB

最近は、わたしは快調、金も稼いでる
働いて、娘らにパンを買って帰る。
だけどいま
ときどき響く、君のその声が
気持ちがよすぎて、心がくるうよ

この国は、やっぱり最高。争いもなくて
風が吹けば、恋人は森へかけ込んでく。
だけどいま
ときどき溶ける、アトム、情熱が
この世のすべてを、やさしく包んで
のむよ

ときどき光る、君の銃口が
この世のすべてを、輝かせて
ときどき開く、君の唇が
わたしのすべてを、やさしく包んで
のむよ



日常の五つの光景

チャーハン、チャーハン、チャーハン、チャーハン
いまではもうほしいものが、たいてい全部手に入る
おどろくほどいいものが、ただ同然で手に入る

ファッションファッションファッションファッション
小人になった夢を見た、小人になってパンクファッションで
デモクラシーのパレードを、鏡のなか眺めてた

ミラーマン、ミラーマン、ミラーマン、ミラーマン
ところで話、変わるけど、君、メチャクチャ可愛いね
君の顔を見ていると、一生、全部、棒に振るよ

人生、人生、人生、人生
そこらで靴下ぬがないで、そこらで魅力を出さないで
雨降る日は静かにして、風吹く日には血をわけて

キョーダイ、キョーダイ、キョーダイ、キョーダイ
とうとうここまできちゃったね、
とうとうここまでみちゃったね
後戻りはできないから、満願成就いのりましょう



君と遠く離れて

遠く離れていても大丈夫だよ
遠く離れてでも、ともだちさ
僕らは今朝の雨で、お化粧グチャグチャ
とっても不細工だよ
遠山たちの影がいま長いのさ
遠山たちはいま旅の果て
あいつら見ての通り職業バラバラ
結束ぜんぜんないんだ。だけど
星が空に煌めく夜
花が降り、風が吹いて
「もう無理」と君、言うけど
わぴゃっぴゃわぴゃっぴゃわぴゃっぴゃわぴゃっぴゃ
「俺から離れられると思うなよ、こら」
遠く離れていても大丈夫だよ
遠く離れて、でも、仲間だよ
昨日はサムゲタンで、明日は吉野家
その後の予定はないんだ



情熱だけの人生

俺には歴史がない
仕事も家庭もない
生きてる理由がない
情熱だけの人生、なのさ

俺には思想がない
重さも高さもない
ここにはなんにもない
情熱だけの人生、真っ白で
楽しいよ
うれしいよ
タローちゃんとフィーバー
情熱だけの人生情熱だけの人生
情熱だけの人生情熱だけの人生

世田谷、やりまくった
そのあと、高田馬場
ジローちゃんのタイガー
情熱だけの人生情熱だけの人生
情熱だけの人生情熱だけの人生
白金渋谷マイホーム情熱だけの人生
明日も今日もフィーバー情熱だけの人生



うどんを食べたい

最後の最後は、あなたとふたりで
最後の最後は、うどんを食べたい
天ぷらうどんや、しっぽくうどんや
なんでもいいけど、あなたと食べたい

小銭を数えた。植木を育てた。
ときどき笑った。ときどきくじけた。
あれも駄目だった。これも駄目だった
夜が長かった。うどんを食べたい。

湯気が立ちのぼる。心が融けてく
いままでふたりで、暮らせてよかった。
最後の最後は、あなたとふたりで
最後の最後は、うどんを食べたい。

最後の最後は、あなたとふたりで
最後の最後は、うどんを食べたい
うどんを食べたい
うどんを食べたい
うどんを食べたい
うどんを食べたい



最低のライン

俺、ロッカー。君、プッシャー
俺、パンカー。君、ライター

もう裁判、三年。真剣なロイヤー、そのネクタイ全然似合ってない

イタ飯は。ジーザス。高カロリー。ジーザス。いい女、ジーザス。高コスト。ジーザス。
証拠なんて内藤、吉岡。衝撃的事実に紛れて。
理由なんて一切合財、はっはっはっはっ。ヒューマン。

印税は300円。弁当は海苔弁当

もう人生百年。素晴らしいなヒューマン。証券屋のいいなり、それこんにゃくだよ
あいつらは全員大バカ、でも気持ちはとってもいい奴
君の名刺、ホントは紙屑だよ

子供になめられ。女に笑われ
ボタニカ行ったら、帰れと言われて

混乱して混乱して混乱して混乱して
混乱して混乱して混乱して困惑して



陳腐な言葉

私の仕事は単調、毎日穴堀り
スコップ片手に地球をぶっ叩く
女にぜんぜんもてない。銭にもならない
それでも毎日結構楽しく生きてる

毎朝六時に仕事を私は始める
朝飯喰わずにがんがん穴を掘る
資格も免許もなんにもいらない
真面目に毎日毎日コツコツ掘るだけ

目的なんかはぜんぜんないんだ
目標なんかもまったくないんだ
誰にも頼まれずに、ただ穴を堀る

穴、掘りたい。酒、飲みたい。メシ、喰いたい。

これからだんだんウナギも食えなくなるけど
私は負けない。私はやめない。穴堀り
キチガイ沙汰だと世間の奴らは言うけど
関係ないんだ。私は一生、穴堀り。

嘘つき野郎と腰抜け野郎が向こうで宴会
私は黙ってひとりで真面目に穴堀り
夏場ひときわ辛いよ、メチャクチャ暑くて
ぶっ倒れることもときには実際あります

目的なんかはぜんぜんないんだ
目標なんかもまったくないんだ
誰にも頼まれずに、ただ穴を掘る



気まずい関係

「ドレープ的なマネーなんて祭壇みたいなモノなんでしょ」って君が言った。
「有機栽培食品しか食わないんだよ」って俺が言った。
光が君と僕の間で気まずく輝いた
気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく

「君って最強だよね。すごいと思うよ。讃岐うどんとか好き?」って君が言った。
「願いはきっと叶うよ。信じて頑張ろうよ。豚トロとかも頼もうよ」って俺がまた言った。

激しい雨が降ってきた。急に。
ナザレ派のあの人ひとり外でずぶ濡れだった。
でも太陽が輝いてた。なぜか
でも太陽が輝いてた。なぜか
でも太陽が輝いてた。なぜか
でも太陽が輝いてた。なぜか

「絶対的な正義がここにあるぜ。俺たちずっと仲間だよな」って君が言った。
「つか、でもオレ思うんだけどあの人って誰のために死んだんだろうか」って俺が言った
「つかシラネェよ。カンケーネェよつか。つかなんでそんなこといま言う訳?」

決まらぬ苦しさをもう一度みたい
こぼれる激しさはどうでもよくて
闇がやってきた。救いのような。
闇がやってきた。救いのように。
闇がやってきた。救いのような。
闇がやってきた。割れて愚劣な午後に。
(たのしく、たいへんたのしくたのしく、たいへんたのしくたのしく、たいへんたのしくたのしく、たいへんたのしく)

それで俺たちは心の底から理解しあって手を取り合ってクルマに乗ってギザギサしたところを出てアルマニャック13 f 杯がぶ飲みして楽しい時間を過ごしたんだよ。

「ここ、最高だよね。ほんと癒されるよね。また来ようよ」って君が言った。
「ほんとだよな、でもあなた、そこの土間の猿に餌、あげないでね」って俺が言った。
光が君と僕の間でまた輝いた
気まずく。たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく
気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく

気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく  愛してる
気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく 愛してる
気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく  愛してる
気まずく、たいへん気まずく。気まずく、たいへん気まずく 愛してる



一寸法師

一寸法師、こぼれる
そのまま、裏切る
言葉が、流れる
とめどが、ないんだ

ピノキオ、ちぎれる
笑って、見過ごす
オルガン、壊れる
こころが、なくなる

メルヘンがとまらない

赤ずきん、けがれる
黙って、見逃す
けだもの、躓く。
森から、出られない

サイレンがとまらない
ぼくらは世のなかをなめこのまま生きてくたのしい

傘地蔵、崩れる
そのまま、見捨てる
涙が、流れる
とめどが、ないんだ

一寸法師、こぼれる
そのまま、裏切る
言葉が、流れる
とめどが、ないんだ

メルヘンがとまらない
とまらない

一寸法師、かぐや姫、シンデレラ、矢吹丈、浦島太郎、ダルマインコ、ムーミンパパ、ジョンレノン、アメリカンショートヘアー、桃太郎、鉢かぶり姫、花咲爺さん、チェ・ゲバラ、

とまらない



ネェさん、俺、ウイスキー

何年、前から、腰抜けだったの?
十年前から、腰抜けだったの、ああそう。
あああああ、姉さん、俺はウイスキー。ああネェさん。

ハイボールを、ハイボールを。

それで君はどうなった?
よく見るんだよ、自分を風景を
自分が風景が、いまどれだけ変わったかを
そしてネェさんに言うんだよ。以下のごとくに。

ハイボールを。ハイボールを
バーボンを、バーボンを
もっともっともっともっと、ウイスキーをくれ。

大丈夫か?一気に飲んだんだな。胸が苦しいのか?
でも水を飲んじゃ駄目だよ。
でもネェさん、どこにいたんだろうな。
ああああ、ネェさん。俺は,ウイスキー。

問いかけするのはやめて
みつめるのもやめて
ただ生きてるだけだよ
ただ生きてるだけだよ
愚劣な君が好きだよ
醜い君が好きだよ
嘘つく奴は嫌いだよ
俺たちは胃を守ろう。

ああああああああ、ネェさん、俺、ウイスキー
ああああああああ、ネェさん、俺、ウイスキー
ああああああああ、ネェさん、俺、ウイスキー
ああああああああ、ネェさん、俺、ウイスキー。

飲みたいね飲みたいね飲みたいね飲みたいね



we are men.

会いたくて、会えなくて
会いたくて、会えなくて

あの花が、もう少し、赤ければ。赤ければ。
あの夢を、もう少し、見れてたら。見れてたら。

この俺が、もう少し、強ければ。強ければ

ミラーマン
we are men.

あの罪が、もう少し、軽ければ、軽ければ。
あいつらは、いまもまだ、生きていた
あの人も、いまもまだ、生きていた

ミラーマン
we are men.

会いたくて、会えなくて
会いたくて、会えなくて



恋する君はチャーミング

グラスをそこにおいた君の仕草がなにげないから遣る瀬ないんだ
すべてがわかってもう君の瞳がなにげないから。なにげないから

昨日の夜、空に浮かんで消えた君の面影を抱きしめてるよ。目を固く閉じて

チャーミング、君はチャーミング、恋する君はチャーミング
チャーミング、君はチャーミング、いろんな意味でチャーミング

笑っちゃってごめんね。昨日の僕が情けないんだ。情けないんだ
ごめん、我慢をするよ。僕の思いはくだらないから。くだらないから

素顔の君とってもリアリズムだね。互いに目を背け、ロマンチックな歌を歌おう。

チャーミング、君はチャーミング、馬鹿らしいほどチャーミング
チャーミング、君はチャーミング、笑っちゃうほどチャーミング

乾いた心に雨を降らせよう。難行苦行も楽しいものさ。優しくなれる。

チャーミング、君はチャーミング、殴りたいほどチャーミング
チャーミング、君はチャーミング、叫びたいほどチャーミング
リービング、僕はリービング、宇宙の果てへリービング
チャーミング、君はチャーミング、無礼なまでにチャーミング
呆れるほどにチャーミング
下品なまでにチャーミング
恋する君は、恋する君は、恋する君はチャーミング



淀川のX団

わいは淀川のX団のぼんぽんや
わいは淀川のX団のぼんぼんや

なにもかもが淀川
なにもかもが滅茶苦茶

わいは淀川の、わいは淀川の
わいはX団のぼんや、X団のぼんや

わいは東京でサンダル履いてボロ儲け
わいは東京で猿股履いて大暴れ

どうかどうかこのまま
楽しく生きさせてね

わいは淀川の、わいは淀川の
わいはX団のぼんや、X団のぼんや

お婆ンがゆうとったわ
しまいにバチあたるで

わいは淀川の、わいは淀川の
わいはX団のぼんや、X団のぼんや
X団のぼんや、X団のぼんや



さとうきび

honey honey sugarcane
honey honey sugarcane
honey honey sugarcane
君は大ばか者だ 君は大ばか者だ

上着を着替え
すてきな笑顔
honey honey sugarcane
君は大うそつきだ 君は大うそつきだ

いつも空に偽りのお星さま
いつもふしだらで滅茶苦茶なアイラブユー

僕たちはマボロシさ
世の中はマボロシさ

野菜食ってビタミン飲んでウナギ食ってゴーゴーゴー

honey honey sugarcane
honey honey sugarcane
honey honey sugarcane
君はインチキ野郎君はインチキ野郎

心にしみる
立派な言葉
honey honey sugarcane
君はイカサマ野郎君はイカサマ野郎

いつも空にびかびかのお星さま
いつも無造作で、でたらめなアイラブユー

君たちを愛してる
猛烈に愛してる

野菜食ってビタミン飲んでウナギ食ってゴーゴーゴーゴー

僕たちはマボロシさ
君たちはマボロシさ

野菜食ってビタミン飲んでウナギ食ってゴーゴーゴーゴー



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